昨日、自分のSubstackの過去記事を開いて、「おやっ」と思いました。
右上のメニューに、見慣れない項目が増えていたんです。
「AIテキストを検出」
押してみると、過去記事がスキャンされて、こう出ました。
「完全に人の手で書かれた」。AI 0%、AI支援 0%、人間 100%。
7月の終わりに英語圏で始まった新機能です。海の向こうの話だと思って眺めていたら、日本語の記事でも、もう稼働していました。
今日はこの話をします。
読者が「AIが書いたか?」を確かめられるようになった
仕組みを整理します。
SubstackはAI検出の会社Pangramと組んで、読者が記事・Notes・コメント・返信をスキャンできるようにしました。表示されるのは「AI」「AI支援」「人間」の割合の推定。対象は2026年7月21日以降に公開された一定の長さ以上の文章で、いまはウェブとiOSアプリで動きます。
クリエイター側には「How I make this」(この記事を私はこう作っています)という欄が用意されました。
AIをどう使ったか——リサーチだけか、下書きからか、使っていないのか——を自分の言葉で書いておくと、誰かが確認したときに一緒に表示されます。
英語圏では、こんな調査結果もあります。
テクノロジー系の人気ニュースレターの28%に、AIが全面または部分的に書いた文章が含まれていた。
大事なのは、Substackの立場です。
AIの使用そのものは問題にしていません。問題にしているのは、使っていることを「隠すこと」のほうです。
つまりこれは、AIの取り締まりではないんです。
編集者として見ると、これは「署名」の復活です
雑誌の世界には昔から「署名記事」という文化があります。名前を出して書くということは、その文章に自分が責任を持つということ。読者は、「誰が書いたか」を意識して読んでいる。
Substackがやったのは、その署名文化と同じだと思う。ニュースレターは名前で購読してもらうメディアなので、「誰が書いたか」自体に価値があるんですよね。
AIと共創しているのに、「人間100%」と出た
白状しておくと、このニュースレター自体、AIと一緒に作っています。今、リサーチはAIに任せることが多い。
なぜなら、これまで人力で1時間かかっていたリサーチ&裏取りがたったの5分で終わるから。AIを使わない手はありません。
一方、任せられないものが2つあります。
ひとつは「一次情報」。僕が編集の現場で見てきた場面、自分の記事やNotesの実際のエンゲージメント数字、これまでの実績や失敗した経験。ここはAIには書けません。
もうひとつは「判断」。集めた情報の何を捨てて何を残すべきか。この判断の基準がSubstackにおける僕の署名とも言える。
AI丸投げとの線引きは、明確です。
「AIに何を任せたか、1行で説明できるか」
説明できるなら共創で、できないなら丸投げ。検出ツールが見分けようとしているのも、実際はここだと思う。
では、私たちはどうすればいいのか
明日できることを、3つに絞ります。
① まず、自分の記事を確認してみる
ウェブかiOSアプリで自分の記事を開いて、メニューの「AIテキストを検出」を押すだけです。読者から自分がどう見えるかを、先に知っておく。まずは、ここから。
② AIに任せた作業を、1行で書き出してみる
「構成の壁打ちに使った」「下書きを作らせたが、かなり修正した」。言葉にできれば、それはもう人に開示できるAIの使い方。書けないときは、AIの使い方を見直すサインです。
③ 自分版「How I make this」を書いて保存する
確認画面から作成できます。書くのは1〜2行でOK。日本ではまだほとんど誰もやっていないので、それだけで読者への信頼の先行投資になります。
未来図:うまい文章から、署名のある文章へ
この変化で価値が下がるのは、「うまいだけの文章」です。うまさはAIで出せるようになったので、そこにお金は集まらなくなる。
かわりに価値が上がるのが、署名のある文章。あなたが見て、経験して、判断したこと——あなたにしか書けない文章は、どんな検出ツールにも「AI」とは判定されようがありません。
一人メディアにとって、これは追い風だと思っています。
うまさで競っていた時代、個人は組織で作るプロの文章にかないませんでした。でも経験は逆です。うまさの価値が下がるほど、個人が最初から持っているものの価値が上がる。勝負の軸が、個人の側に動いたんです。
もうひとつ、変わったことがあります。
無名のクリエイターが「本物です」と証明するコストが、ほぼゼロになりました。これまで、読者の信頼は何年も書き続けてやっと積み上がるものでした。いまは「人間100%」のスキャン結果と「How I make this」のひとことが、実績のない人にも信頼の証明書として働きます。フォロワー数より先に、誠実さを見せられる。
大手が量とうまさで競っている間に、個人は署名で選ばれていく。そういう未来図なんだと思います。
このニュースレターは毎週、英語圏のSubstackと一人メディアの動きを編集者の目でウオッチして、一人メディアで発信するあなたのために役立つ情報をいち早く届けていきます。
日本語ではまだ流れてこない話を、「明日できること」の形にして配信します。
名づけて「未来図レポート」
未来図は、眺めるものじゃなく、描くもの。
毎週、朝5:58にお届けします。
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ぜひ、Substack一緒に頑張っていきましょう。
P.S.
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ぼくは音声で考えや思いの1次情報をAIに渡して、構成してもらいその後に編集長目線チェックして頂き、足りないものを見極めてもらい、追加で1次情報を追加など繰り返し記事作成してます。
これは正しいのですか?
しばじゅんさん
「人間100%」の判定結果と、AIと共創している実態のギャップをそのまま見せてくださったこと、とても信頼できました。署名の復活という視点、腑に落ちます☺️💐